29時間目 「投資先」のグローバル化を図れ!


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井の中の蛙になるな!!投資先は世界中にある

 毎年恒例の合宿に参加した孝史。OB達からさんざんに言われました。「自分の飼っているサルより成績が悪い」とか、「株ばかり買わず債券を買え」とか、「世界と比較したら日本株なんてゴミもいいところだ!」とまで言われる始末です。確かに、世界中には多くの投資先があります。みなさん、井の中の蛙にならないために世界へ飛び出しましょう。

米国はスケールが大きい

 各国別に上場株式会社の時価総額合計額を比較するとダントツでアメリカが1位になります。その総額は26.78兆ドル(約3210兆円)で、世界全体の40.61%を占める独走状態です。2位は日本で4.7兆ドル(約564兆円)、世界シェアの7.21%にしかなりません。
では、さらにアメリカ市場が巨大であるか知っていただくために英デイリー・メール紙の記事から引用してみたいと思います。例えば、シェブロンという米石油メジャーの時価総額1690億ドル(約20兆円)は、メキシコの株式市場の時価総額とほぼ同額です。超大国といわれたロシア市場規模は、半導体大手インテルの1350億ドル(16.2兆円)と同規模しかありません。人口が世界二位の12.5億人もいるインド市場は、ウェルズ・ファーゴという大手銀行の1社の3000億ドル(36兆円)と同規模に過ぎないのです。アメリカの有名企業の時価総額の大きさをイメージできたのではないかと思います。

なぜ日本だけではダメなのか?

 その理由は、世界の国々から日本が将来性の高い国だと認識されなくなっているからです。世界中には常に日本より成長している国がどこかにあります。その国には、世界中のお金が流れ込んできます。その結果、景気は良くなり、仕事も増え、株価も上がります。一方、将来性が明るくない国にはお金が流れ込むことはありません。お金が流れ込まないと、景気は悪化し、仕事は減り、株価も下がります。そうなると、将来が明るくない国に住んでいる人は、お金だけでも海外で「働かせる」ことで身を守ろうとします。その結果、アメリカ株式市場は世界からお金が流れ込み時価総額のシェアが40%を超えるまで拡大しています。アメリカの GDP(国の経済力)が世界の22.5%程度であることを考えると、その実力以上にお金が流れ込んでいることが分かります。

アメリカ株の凄さ

 NYダウ工業平均と日経平均を比較してみましょう。ダウは1982年に1,000ドルだったのが、2015年には18,000ドルまで上昇し23年で約18倍にもなりました。同期間の日経平均は8,000円から20,000円の上昇で約2.5倍。結構な差がついています。

 さて、今年の春先にアメリカ株の凄さを示すエピソードがアメリカから届きました。人口が63万人しかいないバーモンド州に、ガソリンスタンドの店員やデパートの掃除などの仕事をしながら一生を過ごした92歳の男性がいました。その男性は、この春先に他界したのですが、その遺産額の多さが世間を騒がせました。決して給与が高くなかった彼ですが、毎月コツコツと株式に投資をしていました。その株式時価がなんと9.8億円まで積み上がっていたそうです。このスーパー老人の投資術は、自分がよく知っているブランドや配当金を出している企業を見つけ出し、95銘柄に投資をしたそうです。また、購入後は一切売却しない超長期投資。アメリカの長期の成長力もすごいですが、この老人の投資スタンスもすごいと思います。

今日の鉄則
日本にも成長性の高い株式はたくさんあります。でも、世界まで範囲を広げると可能性がさらにチャンスがあることを知りましょう。

→株式投資に必要な知識は万国共通です。日本株投資の知識が身につけば、世界の株式投資もごく簡単に取引が可能になります。