26時間目 なぜプロは雑魚と勝負しないか?
人気ブログの受け売りは大損するだけ
孝史はゲーチキ株を売却した代金を現金のままで保有していました。圭介から「現金なんてただの紙クズ。そのままにしておくと大損するぞ」と指摘されました。また、先輩の蓮からは、「現金のままにしておくと投資のチャンスを逃している」とも言われました。加えて、圭介から明日の朝までに何に投資をするか決めてこいと宿題を出された孝史は、人気ブログの受け売りで、ブログに推奨されていた銘柄を投資対象に決めてしまいしました。圭介からは「人気ブログの受け売りは大損するだけだ」と痛烈に指摘されました。さて、その真相とは。
ブログの記事を信じると自分で考えなくなる
最近は無料情報をはじめ、比較的安い値段で投資に関する情報が簡単に手に入るようになってきました。その筆頭にブログの充実が挙げられます。そのせいでしょうか。熱心なブログ読者である個人投資家のコメントが、すごくレベルが上がっているように感じます。しかし、よくその内容を聞くと受け売りのものが多く、断定的なものが多いように思われます。投資において、断定するはすごく難しく危険なものです。断定することがいかに難しいかは、株取引で説明ができます。株式には、常に上がる要因と下がる要因が共存しています。例えば、業績は良いけど、世界情勢が不安定だとか。このように強弱があるからこそ、売る人と買う人が両方いて売買が成立するのです。それにもかかわらず、情報の多くは、より読者を引きつけるために断定的で一方の良いことしか伝えない傾向が強く、すごく危険です。その弊害を十分に理解した上で、自分に有益な情報源を見つけることが必要です。
もう一つ弊害があります。それは、受け売りそのままに投資の判断を続けていると、自分で投資について調べたり考えたりすることが減り、その結果、投資に必要な能力が徐々に下がることです。日本人初のポーカー世界王者の木原直哉氏は、「プロのポーカープレーヤーが弱いポーカープレイヤーに混じってポーカー勝負をしたとします。最初の1年目は大勝ちできるけど、2年目以降に徐々に勝率が落ちていき、3年目には勝率はトントンなる」とコメントし、常に自分を追い込んだ世界で勝負をしていないと能力が下がるということ伝えています。また木原氏は、ポーカーにおける勝利の極意を「株式投資」と言っています。例えば、「悪い手札の時にマイナスをいかに少なくし、良い手札の時にプラスをいかに多くするかというリスク管理と勝機の見極めが大切」だそうです。まさに株式投資と同じですね。木原氏は東大に入後、ノーベル賞を目指したクレーバーな人です。彼と同じようにストイックに自分で情報を探し、ぬるま湯的に手頃な情報に頼った投資から卒業してみてはいかがでしょうか?
情報の受け売りは、断定的な発想しかできなくなるリスクと投資力の低下を招くことを覚えておきましょう。
投資は自分で考えることが大切です。全ての責任は自分にかかってきます。必死に株式投資と向かい合いましょう。