17時間目 就活生は株を買え!


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就活するときに何を基準に選んでいるのか

町田浩子は倫子の姉で就職活動を控えた大学3年生。就活で色々な悩みを抱えています。そんな時に、妹からは株式投資を勧められ、就活セミナーではカリスマ講師が「就活生は株を買え」」と絶叫。この二人のコメントの真意は。

就活生の企業分析と投資家の企業分析は異なる

 カリスマ講師がここで就活生に対して株を買えと言った本当の意味は、就職活動を乗り切るために企業分析が必要であると言っているだけではありません。企業をどのように分析するか、そのセンスを磨けという意味です。

 企業分析の象徴的な例として、就活生の判断基準は、従業員数が多い、海外拠点が多い、初任給が他社より1万円多い、就職人気先企業ランキングが上位、など企業価値とあまり関係ない点を最優先しないことが挙げられます。
 少し決算書の知識のある就活生の企業分析でも、投資家の企業分析は大きく異なります。研究開発費を例にその違いを見てみましょう。知識のある就活生は、研究開発費を見て、“うわー、積極的に新商品を開発している。この会社は将来性が高い”と直情的に判断することが多いでしょう。一方、投資家は異なる反応をしそうです。 “うーん、この研究開発費は巨額だなぁ。大丈夫なかぁ?” 大きく異なった反応ですね。それは、投資している研究開発費が、企業の資金繰りに悪影響を与えていないか、また、研究が上手くいった場合の利益額と上手くいかなかった時の損失額がいくらなのかなどに注目をしているからです。

 この大きな反応の違いはなぜ起こるのでしょうか。それは、個人投資家は数字を見た時にその価格(投資額)ではなく価値を判断しているからです。一方で、就活生は価値を計ることができないため、価格(投資額)のみで判断をするしかありません。ここに大きな違いがあります。

 しかし、就活生に50万円の株式投資を行うようにお願いした場合、多分異なった判断基準を設けると思います。まず、今より真剣に企業分析をする可能性が高いです。それは、目の前にある50万円損したくないからです。でも、就職先の方がよほど将来のリターンに大きな影響を与えることも知らず。そして、二つ目に、投資先を選ぶと基準は、知名度やブランドではなく、これからも長く業界で地位を保てる会社、技術に優れた会社、独自性を持った会社など優占し選択するはずです。決して、オフィスの場所や男女比などでは選ばないはずです。つまり、本当の企業価値を見出すことができたのではないでしょうか。

 就活生のみなさん。このような投資家目線で企業を選んでみてはいかがですか? この不確実性の高い世の中でも10年後の自分の働き方がイメージできるかもしれませんよ。

今日の鉄則!
個人投資家は企業を「価値」で判断。就活生は企業を「価格」で判断。この差がリターンに大きな影響を与えます。
→世の中の成功者は全て価値で判断します。価値と価格の違いを明確に理解しましょう。