21時間目 FXは美人投票だ
ついに藤田家の財産をめぐって孝史VS慎司の3番勝負が始まりました。第一弾の対決はFX。Foreign Exchangeの略で外国証拠金取引のことです。前回は、 FX市場の規模の大きさをお伝えしましたが、今回はその為替市場を大きく左右する見通しのルールを伝授します。
為替市場の横綱を探せ
孝史は米ドルを1940年代以降、圧倒的な通貨の横綱と表現しました。孝史だけでなく誰が見てもドルが強いとイメージしていることを表しています。実は、世界でも最も有名な経済学者の一人であるイギリスの経済学者のケインズも、孝史と同じようなことを発想していたようです。「投資は、美人投票のようなものだ」と。実は、ケインズは経済学者としても有名ですが、一流の投資家として有名でした。
さて、実はケインズの言った美人投票は、みなさんがイメージしている一般的なミスコンテストとは異なります。通常のミスコンでは、自分が美人と思う人に投票するのが一般的ですよね。
ケインズがいった美人投票は、投票者が100枚の写真の中から美しい6人を選び、その選択が投票者全体の好みにもっとも近かった人に賞金が与えられるというものだったそうです。つまり、ケインズの美人投票で賞金を得るためには、自分の好みの人を選んで投票するのではなく他の人たちが、美人だと投票しそうな人を予想して投票しないと、賞金は獲得できません。このゲームの必勝法は、美人投票に参加する人の好みを当てる投票だったそうです。
為替レートの変動には美人投票の色がより強い
外国為替のメイン通貨は米ドル、ユーロ、円です。この3通貨で常に主人公の交代がなされています。例えば、リーマンショックで米ドルが安くなったり、欧州危機でユーロが安くなったり、日本のアベノミクスで円が安くなったりなど。為替の市場は規模こそ大きいものの、主要なメンバーはたったの3名。その中で美人投票です。為替市場に参加するメンバーの好みを考え、投票を集めるポイントを見つけることができれば、実は身近な投資だと思いませんか?ちなみに日本の上場株式数は約3500社です。あなたは、投票対象の多い美人投票と少ない美人投票のどちらを選択しますか?
美人投票は自分の好みではなく、みんなの好みを選ぶこと。つい、自分の好みで投資判断をしがちですが、それでは投資では勝てません。
FXのコツはどの通貨が主人公、話題の中心にいるか考えること。為替で経済を理解し、色々な投資に役に立てよう。