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15時間目 世界最強の頭脳集団ヘッジファンド(中編)


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道塾投資部が目指す運用スタイルはヘッジファンド。ヘッジファンドの運用方法の多くは謎に包まれていますが、ヘッジファンドの運用スタイルには個人投資家がそのまま使える投資の鉄則と知っておくべきその投資スタイルが隠されています
 少し難しく思うかもしれませんが、今回は、その謎の運用スタイルの1回目を紹介しますので、是非投資のヒントにしてください。

多岐に渡る投資戦略

「前回、ヘッジファンドがボロ株へ投資をできる仕組みをお伝えしました。では、実際にヘッジファンドはどのような投資戦略で絶対収益を実現しているのでしょうか? 代表的なヘッジファンドの戦略は幾つかありますが、ここでは大きく4つの戦略に分類したいと思いますグローバル・マクロ、イベント・ドリブン、アービットラージ、ロング・ショートの4戦略」があります。

ロング・ショート戦略

 今回ご紹介するのはロング・ショート戦略です。難しそうな響きですが、一番標準的なヘッジファンドです。ロングとは株を買うことで、株価が上がると利益が出る取引です。ショートとは株を売ることで、株価が下がると利益が出る取引です。

 ロング・ショート戦略は、今後の株価の上昇が期待される株式をロング(買う)し、同時に下落が見込まれる株式のショート(売る)を組み合わせることで、株式市場全体が上昇しても下落しても相場の動向に影響を受けずに利益を目指す戦略のことです。

 理想としては、株式市場が+10%上昇した時、ロングの損益が+15%になり、ショートの損益が−10%になることで合算して+5%の利益になることを目指しています。
 一方、株式市場が-10%に下落した場合は、ロングの損益が−10%の、ショートの損益が
+15%になることで合算して+5%の利益になることを目指しています。
 つまり、どちらに転んでも利益が上がることが理想なのです。

 この理想を実現するには、株価が上昇する時に大きく上昇する株をロングすること、株価が下落している時にできるだけ下落しない株をロングすることです。つまり、ロングする優良な株式をいかに見つけるかが勝利への鉄則だと言えます。

 では、実際のロング・ショート戦略の世界を見てみましょう。

同業種の企業をロング・ショート

 一番基本的なものは同じ業種から企業を選択する方法です。同じ業種の中で一番期待できる株を買い、一方で見込みの低い株を売ります。
 例えば米国の自動車業界でいうと業界1位のGM社をロングし、業界3位のクライスラー社をショートする。このような感じです。景気がすごくいい時には、GMの方がクライスラーより業績を伸ばし株価が上がるだろう、一方、不景気になった時でも、GMの株は持ちこたえるだろう、と思った時に取る戦略です。その結果、不景気であろうが好景気であろうが安定して利益を上げることができるのです。

業種を超えたロング・ショート

 また、業界を超えるロング・ショート戦略もあります。 
 例えば、ハイブリッド車が今後の車売り上げの中心になると予測したのでハイブリッド車に強みを持ち、好調な売り上げが期待できるトヨタの株をロングし、それによるガソリン消費の減少が懸念される石油会社のエクソンモービルをショートすることなどもできます。

資産を超えたロング・ショート

 最後に、資産(株から債券へなど)を超えたロング・ショート戦略もあります。景気が良くなり株式が人気になり、債券の人気がなくなると予想すれば、株式をロング、債券をショートすることができます。

 このようにロング・ショート戦略は、価格が上がることを期待できるものをロングし、価格が下落することが予測されるものをショートする、大変シンプルなものです。ただし、何をロング、ショートするかの銘柄選択が大事であることを同時にご理解いただけたと思います。

今日の鉄則!
株式市場が上昇しようが下落しようが利益を上げられる戦略がロング・ショート戦略です。
→ ロング・ショート戦略のポイントは、銘柄への目利きです。投資の基本に立ち返り、資産価値が高いのか安いのかを見極める能力を高めましょう。