1時間目 何も知らずにはじめていいのか株式投資


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インベスターZの主人公である財前孝史は、厳しい受験戦争を勝ち抜き道塾中学校に入学しました。孝史は入学後、野球部に所属をすることを心に決めていましたが、彼にはある宿命が待ち構えていたのです。それは、入試の試験をトップで通過した者には、道塾中で部活を選ぶことが許されず、投資部に入部することが義務とされているというものでした。

その投資部へ勧誘され、孝史はマージャンを初めて打つことになりました。実はこのシーンには大変重要な投資哲学が含まれていました。その哲学とは……。

誘惑に負けてルールも知らない物事を始めない

孝史はマージャンのルールも知らずに面白そうなゲームだと無邪気に参加してしまいます。もちろん、当初は本人から参加を強く望んだものではありませんでしたが、結果的には自ら参加することを選択してしまいました。当然結果は、上級生にカモにされ当然の最下位となりましたが、これはマンガの中の話だけではありません。まさに株式市場でも同じように、無知で無謀な一般投資家が玉砕される光景が日々繰り返されています。しかも、最初のキッカケは雑誌や勧誘におどらされて色気が出てと、孝史とほぼ同じようなケースが散見されます。
さて、最近は特に身近に感じるようになった株式市場は、年間の取引高が50兆ドル(6,000兆円)、為替市場は年間1000兆ドル(120,000兆円)と実はかなり巨大な投資取引市場です。モノの世界貿易取引高は年間16兆ドル(1,920兆円)であることと比較するといかに巨大であるかお分かりいただけるかと思います。あなたの想像をはるかに上回ったのではないでしょうか。

また、株式市場や為替市場は、巨大でプロの投資家や機関投資家が数多く参加している市場であるにもかかわらず、一般投資家が気軽に参加できるたいへん特殊なところです。しかし、よく考えください。Jリーグや大相撲には一般人がお気軽に参加することはできません。仮に、大相撲に一般の人が出場できたとしても、横綱や大関に勝てるわけもなければ、3秒間でも土俵に立てていれば奇跡です。ただし、大相撲の横綱は品格が高いので仮に一般人が参加したら手加減してくれるかもしれませんが。

さて、気軽に参加できる株式市場や為替市場では、一般人だから、初心者だからということでプロが一切手加減をすることがない非常にシビアな世界です。それどころか、一般投資家をカモにしてやろうという習慣が身についているといっても過言ではありません。

しかしながら、このように大変厳しい世界であることも知らずに、無邪気な投資家たちは“アベノミックスで株は誰でも大儲けしそう”だとか、“FXで大きくレバレッジかけてバッチリもうかりそう”などという軽い気持ちで取引をスタートしています。本当にそんなに気軽に参加して大丈夫ですか?

その前にあなたには成功している投資家の鉄則を学んで欲しいのです。プロの投資家ですら、誘惑に負けて物事を開始したりせずに十分な下調べや知識を備えて株式市場に参加しています。

世界で最も著名な投資家であるウォーレン・バフェットもこれに関する名言を残しています。

「リスクとは自分が何をやっているかよくわからないときに起こるものです」。つまり、マージャンのリスクが何であるかもわからずにゲームに参加することや、株式市場のリスクもわからずに参加することは馬鹿げたことであると言っているのです。

世の中には、車の運転や船の運転など人身に影響を与える可能性があるものには免許制度がありますが、株式に投資する事には免許制度がありません。つまり、教官が存在しない以上、せめて自分でリスクやルールは知った上で取引をスタートすべきですね。

今日の鉄則
ルールとリスクを熟知して物事を開始しよう。

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しかし、無知はカモにされるだけです。しっかりとした準備と学びで臨みましょう。